インスタグラムで@Mister_Minimalist(ミスター・ミニマリスト)として知られるスティーブ・ゴンサルヴェスは、 幼い頃からインテリアやデザインに興味を持っていた。 彼は数か月に一度自分の部屋を模様替えしていたが、人生を大きく変える出来事が、自分自身と向き合うきっかけとなり、インテリアへの関心が一気に高まった。スティーブは、インテリアデザインの本を読み、テレビ番組やYouTubeのインテリアデザインに関する動画を見るうちに、デザインはスティーブにとって一種のセラピーとなった。
ビンテージのIKEA家具は、スティーブのインテリアの中心的テーマとなっている。多くの人は、IKEAで手頃な家具を購入することが目的だ。しかし、1年前にオーラ ヴィルボルグがデザインしたIKEA PSスポットライトプロジェクターを見つけ、Instagramでシェアしたことが彼の情熱に火を付けた。
その瞬間彼の人生は大きく変わった。それ以来、スティーブは多くの人に愛されている「レアな」アイテムに注目し、それをSNSでシェアすることで大きな反響を呼んだ。
「ミスター・ミニマリスト」というブランド名から、スティーブがどのようにしてビンテージのアイテムをモダンでミニマルなスタイルと調和させ、統一感のあるスタイリッシュさを表現しているのか不思議に思うだろう。多くの人にとって、ミニマリズムは最小限の装飾と色彩、そして明確なコンセプトを持ち、喜びを与えるものだけで構成するという考え方だ。しかし、ミスター・ミニマリストにとってはそれ以上なのかもしれない。彼にとってミニマリズムとは、色彩や素材を受け入れ、もしインテリアアイテムに惚れ込んだら、迷わずそれを購入することだ。ただしその場合、彼の感性を満たさない他のアイテムは手放されることになるだろう。それはインテリア全体を調和させる微妙なバランスだが、そのバランス感覚が今日の彼を形作っている。ビンテージのアイテムも、うまく合わせれば新しい家具と完璧に調和することを彼は知っているのだ。
インテリアデザインのプロセスにおいて、音楽もまた空間を創り上げ、結びつけ、引き立てる大きな役割を担っている。スティーブにとって、音楽は彼の創造的プロセスの中で非常に重要で、特にリール撮影や写真を撮る際には欠かせない。音楽は個々のジャンルを通して異なる言語で語りかけてくるインスピレーションで、彼のコンテンツ製作において流れる良い楽曲(あるいは爆音で再生される)に勝るものはない。特にミスターミニマリストが愛用するSongBook は、そのデザインも含め、今や彼の創造的プロセスにおいて欠かせないアイテムとなっている。
ユニークなビンテージアイテムを扱うインテリアデザインの世界で、気に入った宝物を探し出すためには膨大な作業が必要だ。初めてこの世界に足を踏み入れるとき、リサイクルショップやフリーマーケットを歩き回わったり、Facebookのマーケットプレイスをスクロールするのは、最初は圧倒される。スティーブは、リサイクルショップを訪れる際は、左から右へ、上から下へと見ていく特有の「スキャニング法」を使用している。そうして見つけたものにはそれだけの価値があり、例えば、スティーブのお気に入りのビンテージ装飾品のひとつである 「Enetriシェルフ」は、1980年代に IKEA から発売され、ニールス・ガンメルゴーによってデザインされたもので、彼にとって注目と評価に値する傑作である。